ガレット・デ・ロワは、子供も大人も楽しいフランスの伝統菓子。

galette_des_rois

ガレット・デ・ロワは、フランスでは、新年のお祝いに欠かせない伝統菓子です。

古くは、キリスト教(カトリック)の祝日、1月6日の公現祭の日に食べるという風習がありましたが、最近では6日を過ぎても販売されていて、1月中であれば何度でも食されているようです。

日本でも年々知名度が高まっていますが、このお菓子には、年始ならではの楽しみ方があります。

もくじ

ガレット・デ・ロワの楽しみ方

ガレット・デ・ロワには、ケーキの中に陶製の小さな人形「フェーヴ」が1つ隠されています。
いちばんの楽しみは、このフェーヴが誰に当たるかという、運だめし

切り分けて食べたお菓子の中からフェーヴが出てくれば、大当たり!
男性なら王様、女性なら王妃様となって王冠をかぶり、その日一日、みんなから祝福されるのです。

日本でも、ガレット・デ・ロワを買うと、紙製の王冠(輪っかにすると王冠になる、細長い台紙)を付けてくれるお店も多いです。

フランスでは、王様・王妃様になった人は次回のガレット・デ・ロワを買う、というルールで何度も集まって楽しむ人も多いそうです。

食べるお皿を公平に決める伝統の方法

フェーヴが当たるかどうかは、子どもたちにとっては真剣勝負。

食べる前にフェーヴがどこに入っているかがバレてしまってはたいへん!
切り分ける時にナイフが当たってしまったり、断面からフェーヴが見えてしまわないよう、
見えない場所で切り分けてから、お皿に乗せることもあるようです。

カットする人は、もしフェーヴが見えそうになったら、
クリームの中にグッと押し込んで、上手に隠さなければなりません。
 
不公平にならないための、伝統的な配り方もあります。

ガレット・デ・ロワの伝統的な配り方

最年少の子供食べる前に、最年少の子どもがテーブルの下に入って、誰がどのケーキを食べるかを決めるという方法です。

大人がテーブルの上でケーキをお皿に乗せながら
「これは誰のケーキ?」と尋ね、
テーブルの下から
「それは◯◯のケーキ!」という声が聞こえてくると、そのとおりにお皿が配られます。

ほのぼのとした光景ですね♪

本場フランスでは庶民的なおやつ

フランスでは、ガレット・デ・ロワは庶民的で気軽なお菓子。
地域によって生地や製法に違いがありますが、メジャーなのは、パイ生地の中にアーモンドクリームがたっぷりはいったタイプです。

日本でもこのタイプが主流ですが、フランスで売られているものは、日本で売られているものほど整っていないのが普通で、ショーケースや陳列台に、ざっくり重なり合った状態で売られ、買うと、シンプルな紙の袋に直接バサッと入れて渡してくれるようなラフな扱い。

焼きたてが美味しいので、道やベンチで紙袋から直接食べている人もいるほどです。

家に持ち帰って食べる時は、お店で入れてくれる紙袋が役に立ちます。
オーブンをいちど空焚きしてスイッチを切り、温かい庫内へ紙袋のまま(口は閉じずに)オーブンへ。
すると、表面は今以上には焦げず、水分が抜けすぎることなくパイ生地の表面はパリッとし、
中のクリームも温まって、焼きたてに近い状態に戻すことができます。
グルメなフランス人たちは、こうして美味しい状態に戻してから温かいうちに食べるのだそうです。

歴史や背景はまったく異なりますが、日本のおやつに置き換えると、たい焼きのような身近さでしょうか。焼きたてのホカホカを紙袋で受け取ったら、その場でパクッと♪ が美味しいですね。

フェーヴの歴史

今では、人形や乗り物をかたどった陶器製のフェーブが使われていますが、フェーヴはフランス語で、直訳すると「そら豆」。
そら豆は胎児の形をしているとも言われ、古くから命のシンボルでもありました。お祝いごとや祭事の時にも、そら豆が振る舞われたり、パンやお菓子の中にそら豆や金貨を入れる風習があったことから、もともとは乾燥豆が使われていたという説もあります。

現代のように陶製のフェーヴになったのは、1847年。パリのお菓子屋さんが入れたのが始まりと言われています。当時は19世紀の工業化の流れで陶磁器が流行した頃で、初めてのフェーヴは、ドイツの「マイセン」に注文した陶製の小さな人形でした。

ガレット・デ・ロワの模様の意味

ガレット・デ・ロワの表面には、ナイフの切り込みで描かれた模様があります。
模様の種類は大きく分けて4種類あり、それぞれ縁起の良い意味が込められています
 
 
渦巻き模様(太陽)は生命力、四枚の葉模様(月桂樹やオリーブなど)は栄光、
矢羽根模様(麦の穂)は五穀豊穣、格子模様(ひまわり)は勝利。
 
galette_des_rois
 
基本的にはこの4種類ですが、渦巻きと葉っぱを組み合わせたようなアレンジ版もあります。
日本では、渦巻きや葉っぱの模様をよく見かけます。

お店で模様を選ばせてくれるようなら、模様の意味をもとに選んでみるのも良さそうですね。

シーズン限定なので、1月中には食べておきたいお菓子。
店頭で見かけたら、ぜひ♪
 
 
*   *   *

 
ガレット・デ・ロワはお取り寄せできるショップもあります。
楽天で人気のガレット・デ・ロワを見つける!
 
おうちで手作り派も応援します♪


 

最近の投稿
トリコ
トリコ

身の回りで気になるモノ・コトを、マイペースに観察しています。ジャンルに偏りがありますが、目新しいもの、気の利いたもの、キャラクターものに惹かれます。